INVESTMENT STRATEGY ・ 検証シリーズ

投資の考え方 — 定石を、出典と実データまで遡って採点する

投資の世界には広く信じられている「型」があります。コアは7割、高配当10銘柄を機械的に買え、ゼロクーポン債なら利回りを固定できる、原油安なら航空株——本シリーズは、そうした定石の出典を一次資料まで遡り、成績を実データで測り直し、判定を一言で言い切る検証記事です。

共通の作法は4つ。①出典が消えていればWayback Machineで原文を確保して過去形で引用する、②成績は構成銘柄×調整後株価から自前で実測する(算出法明記)、③学術文献はDOI付きで引く、④売買の推奨はしない——検証の結果「定石が負けた年」もそのまま書きます。

全6本 — 定石と判定

第1号 ・ CORE-SATELLITE

コア・サテライト投資の比率を検証 — 「コア70%」の出典を確かめに行ったら、消えていた

判定:一律の正解はない。「約70%」の出典(BlackRock豪州)は削除済みでアーカイブのみ。バンガードの旧ガイドはそもそも比率を推奨しておらず、現行8社の相場観はコア7〜9割。理論的にも比率はリスク許容度から導かれる変数。

第2号 ・ DOGS OF THE DOW

ダウの犬と子犬の現在地 — 高配当10銘柄はAI相場に勝てたか

判定:勝ったり負けたりの往復。実測で2022年はS&P500に約20pt勝ち、2023〜24年は完敗、2025年は再勝利。株価で絞る「子犬」は2022年に▲17.5%。最大のリスクは減配より「ダウからの退出」で、2022年の犬4銘柄が既に指数を去った。

第3号 ・ TREASURY STRIPS

米国ゼロクーポン債の現在地 — 「30年で約4倍」の仕組みと、固定されないもの

判定:「利回り固定」は満期保有前提でのみ真。2.88%で買われた2022年の実例は、27円の円安をもらってなお円建て▲2割(途中の時価は固定されない)。ただし満期の損益分岐は1ドル60円。いま始めるなら単価23前後・約4.2〜4.3倍・分岐38円前後。

第4号 ・ OIL PLAYBOOK

原油安の投資定石を検証する — 「安くなったら航空・50ドル割れで逆張り」は1勝2敗だった

判定:定石より先に「なぜ下がったか」の診断。供給型の2014-16年は航空最高益で成立、需要型の2020年は原油マイナスでも航空▲63%、2025-26年は「50ドル」が来ないまま急騰へ。学術的裏付けはKilian(2009)。

第5号 ・ DCF

企業価値はどう計算するか — 無料ツール4つでDCFを一周する

判定:DCFは正解を出す機械ではなく、市場の前提を逆算する道具。バフェットコード・資本コスト(costofcapital.jp)・IR Bank・EDINETでKDDIの理論株価まで実演。基準ケース2,942円は市場とほぼ一致、ただしβと成長率で1,766〜4,793円まで散る。

第6号 ・ SELL IN MAY

セルインメイは本当か — 季節性は実在した。戦略にした人から負けた

判定:現象は本物、戦略は不成立。冬+6.95% vs 夏+2.08%(S&P500・1950年以降)は実在するが、直近10年は日米とも夏が9勝1敗で逆転。33年切替の実測は買い持ちの29%、本場のETF(SZNE)は2026年5月に清算された。

このシリーズの読み方

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本シリーズは公開情報・一次資料を基に当サイトが整理した一般的な情報提供を目的としており、特定の金融商品・戦略の採用や売買を推奨・勧誘するものではありません。検証結果は過去のデータに基づくものであり、将来の成果を保証しません。投資に関する最終判断はご自身の責任で行ってください。